今日、ご紹介する作品は映画「ウィッカーマン」です。
カルト映画「ウィッカーマン」は2006年9月1日に公開されたアメリカ映画です。
日本公開は翌年2007年9月1日。
(同じ日!)
1973年制作のイギリスのカルト・ムービーをニコラス・ケイジ主演でリメイクした映画で
す。内容を一言で言うと、
”奇怪な因習の残る孤島に娘を探しに訪れた警官の恐怖と想像もしなかった結末を描く”サスペンス映画。
(カルト臭ぷんぷんします)
上映時間は101分。
監督・脚本はニール・ラヴュート。
(代表作は2000年公開映画「ベティ・サイズモア」)
主演のメイラスにニコラス・ゲイジ。(ニコラス・ゲイジは制作にも参加)
島を支配するシスター・サマーズアイルをエレン・バースティンが演じています。
(1971年公開映画「アリスの恋」でアカデミー主演女優賞を受賞。ダンスティン・ホフマンやメリル・ストリープなどたくさんの有名俳優を輩出したあの俳優養成所アクターズ・スタジオ学長でもあります)
では、映画「ウィッカーマン」のあらすじです。
映画「ウィッカーマン」あらすじ
白バイ警官のメイラスは、母親と幼い娘が乗る自動車が事故で炎上する現場に居合わせて、トラウマを負う。そんな彼のもとに、突然、8年前に失踪を遂げた婚約者ウィローから、彼女の故郷の島で”自分の娘ローワンが行方不明になっているから助けて欲しい”という手紙を受け取る。メイラスは半信半疑ながらもその孤島へ向かう。その島はシスター・サマーズアイルの私有地で、島民らは農業と養蜂を営んで生活していた。島民たちは、多くが女性。
皆一様にどこか不気味な雰囲気を漂わせ、ウィローとローワンの写真を見せてもそっけない対応しかしない。奇妙な島民たちに戸惑うメイラス。
携帯電話も通じないこの島で、メイラスはかっての恋人ウィローと人目を忍び再会する。彼女は”ローワンが必ずこの島にいる”とメイラスに断言する。一人、捜査を続けるメイラスだが、島の誰もローワンのことを知らないと言う。しかし、メイラスは島の学校で出席簿に彼女の名前を消した痕跡を発見する。その事実を突きつけられたシスター・ローズは、ローワンは事故死して、墓に埋められたとメイラスに告白する。
島では女性が主権を握り、キリスト教以前の古代宗教を信仰、古き良き農耕社会を良しとし、現代社会を拒絶した生活の中、男たちはただ奴隷のごとくに仕事に従事していた。
捜査を続けるうち、メイラスは娘ローワンはまだ生きていて、間もなく行われる収穫祭の儀式の生け贄になるのではないかと疑い始める。
収穫祭の生け贄は、木の枝を組み合わせて作られた巨大な人形ウィッカーマンの中に入れられ燃やされる。
ローワンを必死に探すメイラスだったが、島では、ある恐ろしい計画が刻々と進行していた…。
今回はネタバレなし。
(アメリカ映画「ウィッカーマン」はネタバレしたら、見る価値がまったくない。平たくいうとその程度の映画)
映画「ウィッカーマン」の評価
1973年のオリジナルのイギリス映画はカルトムービーと言われ、絶賛する人もいます。それに比べてに比べて、このアメリカ・リメイク版は、とても評価が低い。
オリジナルは主人公はスコットランドヤードの警官。リメイクは白バイ警官。
キャラクターの違いはあれど、基本のストーリーは踏襲されています。
では、なぜ、リメイク版は評価が低いのか?
リメイク映画「ウィッカーマン」がカルト映画になりえなかった理由
アクション俳優ニコラス・ケイジが女性を殴る、蹴る。
(スティーブン・セガールなら絶対しない)
ニコラス・ケイジの演技。
(1995年公開映画「リービング・ラスベガス」でアカデミー主演男優賞はじめ、アメリカ国内の様々な賞を受賞してるんだけど…)
例を挙げると、
ぬいぐるみを片手に、そのこげ跡の理由を女性に迫るシーン。
(マジか。危うい。これがニコラス・ゲイジの迫真の演技?)
ミステリアスなストーリーに、いつも困った顔にしか見えないニコラス・ゲイジの芝居の違和感。
(あくまで個人的な感想)
オリジナル版とリメイク版の宗教的取り扱いの違い
イギリス映画版と違い、宗教とエロテックを全面に出さなかったのはなぜだろう?
(様々な年齢層を想定?)
日本人の筆者にはやや、宗教の”価値観”の違いはわかりにくいけど、そのためにミステリアス感が薄れています。
さて、この映画「ウィッカーマン」は惜しくも受賞を逃しましたが、第27回ゴールデンラズベリー賞に5部門もノミネートされています。
(毎年、アカデミー賞の授賞式前夜にその年に公開された”最低の映画”を選んで表彰するアメリカの映画賞)
・最低作品賞
・最低男優賞 – ニコラス・ケイジ
・最低スクリーンカップル賞 – ニコラス・ケイジ & 彼のクマのスーツ
(クマのスーツで戦うシーンあり)
・最低リメイク及び盗作賞
・最低脚本賞 – ニール・ラビュート
(余談ですが、この第27回受賞の多くは映画「氷の微笑2」でした)
エレン・バースティンは、もう二度とニコラス・ゲイジと共演しないだろうな。
アクターズ・スタジオが泣く。
ジェームス・ディーンが泣く。
でも、見たくなったでしょ?
だから、結末は伏せときます。
このリメイク版「ウィッカーマン」はある意味、カルト映画であることは間違いない。
(ナイトメア・シンジ)
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