アギーレ神の怒り」は1972年12月29年に公開された西ドイツ映画です。

(時は東西冷戦の真っ只中。ドイツ再統合18年前です)

上映時間は93分。

監督は”ニュージャーマンシネマ”の巨匠ヴェルナー・ヘルツォーク。

”ニュージャーマンシネマ”とはドイツにおいて、196年代から1980年までの新世代の映画監督たちを示します。

(他にヴィム・ヴェンダース、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーらがいます)

主演は悪役をやらせたら、ピカイチの怪優クラウス・キンスキー。

(娘は映画「テス」の可憐な美少女ナスターシャ・キンスキー。まったく似ていません)

では洋画「アギーレ神の怒り」のあらすじを見ていきましょう。

洋画「アギーレ神の怒り」あらすじ

https://youtu.be/44KV6caj8GY

スペイン帝国はアマゾン奥地にエルドラド(黄金郷)があるというインディオの伝説を信じ、遠征隊を現地に送り込む。

宣教師カルバハルはその冒険の記録を日記に記していた。

1560年12月25日。遠征隊がアンデスの最後の尾根に到着。

200名の奴隷インディオに荷物運びをやらせていたが、インディオたちは次々と死亡。

壮大なジャングルと巨大なアマゾン川が遠征隊を阻む。

遠征隊隊長のピサロは食料調達と情報収集の為、隊員40名を選び出す。

隊長にウルスア、副隊長にアギーレ、宣教師のカルバハル、スペイン王家の代表として貴族のグスマン、さらにウルスアの愛人イリスとアギーレの娘フローレスも分隊に同行し、イカダで川を下ることになる。

1週間以内に戻らなければ、残りの遠征隊は引きあげるとピサロは明言して隊を送り出す。

1月4日。隊の40名は4隻のイカダに分乗して出発。

1月6日。イカダの隊員たちは、対岸に上陸する。

渦に巻き込まれ、ウルスアは身動きできずにいる兵士とインディオを救助しようとするが、アギーレが反対。夜の間に部下のペルーチョに全員を殺させる。さらに証拠隠滅のため、イカダに大砲を撃ち込むアギーレ。

1月8日。川の水位が上昇し、イカダが流される。

隊員たちはアギーレの命令で新たなイカダ造りを始める。

アギーレは隊を支配下に置く事に成功、貴族のグスマンを新たな隊長に任命する。そして公然と国への反逆宣言をして、グスマンをまだ見ぬエルドラドの皇帝に即位させる。

1月10日。ウルスアの部下が脱走。

本隊へこのことが知れると危険だと感じたアギーレはウルスアを処刑するようグスマンに迫るが、グスマンは拒否。

1月12日。一行は新たなイカダでエルドラド目指して出発する。

1月20日。イカダは遅々として進まない。

1月24日。先住民の男女がカヌーで近づいてくる。先住民の黄金のネックレスを奪い取るアギーレ。

先住民は殺されてしまう。

イカダの上でグスマンが死亡する。

グスマンの死で後ろ盾の亡くなったウルスアは絞首刑にされる。

ウルスアの愛人イリスはジャングルに消える。その後、食人族の集落へ攻撃を仕掛けるアギーレ。

アギーレの横暴な振る舞いに恐れをなした隊員が逃亡計画を立てる。しかし、計画はアギーレの知ることになり、アギーレは隊員を処刑。

先住民たちがアギーレたちに襲い掛かる。

隊員たちは先住民の吹き矢や槍の攻撃で次々と命を奪われてゆく。

カルバハルは、引き返すようアギーレを説得するが、アギーレは無視する。

2月22日。イカダは全く先へ進まなくなる。

イカダの上の多くの者が熱病にかかる。

アギーレはそれでも、頑なにエルドラドを目指す。

やがて、先住民の放った矢がカルバハル撃ち込まれる。

熱病に侵されていたフローレスの胸にも矢が撃ち込まれる。

たただひとり残されたアギーレは“俺は神の怒り、我が娘と結婚し、この大陸に王国を築くのだ”と狂人のように叫び続ける…。

映画「アギーレ神の怒り」がどうしてカルト映画と呼ばれるのか?

この洋画「アギーレ神の怒り」はタイム誌が選ぶ歴代映画ベスト100に選ばれました。

故郷を遠く離れ、南米の秘境で繰り広げられる愛と憎しみの物語。

ヒューマン・アドベンチャーと見る向きも多いが、筆者はこれはバイオレンス・アドベンチャーと見ます。

クラウス・キンスキーの面目躍如と言っていい、このアギーレの傍若無人ぶりには驚きます。

自分の意に沿わない奴、足手まといな奴は血祭り。

残酷さと非情さに身震いします。

演技?自?

(ここがカルト)

挙句の果てに娘を溺愛するばかり、自分の妃に迎えるなどと公言するなど、狂気の何ものでもありません。

(ここもカルト)

壮大な物語をこの時代にロケで撮ったそのエネルギーにも頭が下がります。

(約50年前。クオリティー高!)

カルト映画というより、名作かもしれません。

(ナイトメア・シンジ)

関連記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP