カルト映画「博士の異常な愛情」は1964年1月30日でアメリカ公開され、

日本では、10月6日に公開された洋画です。

上映時間は93分で、製作はアメリカとイギリスの合作。

監督は映画「2001年宇宙の旅」「シャイニング」などの数々の名作を生み出したあのスタンリー・キューブリックです。

「ピンクパンサー」シリーズのクルーゾー警部役で有名なピター・セラーズ、のちに「パットン大戦車軍団」でアカデミー主演男優賞受賞も辞退したジョージ・C・スコットなど大物俳優が出演しています。

映画ジャンルはブラック・コメディ。

白黒映画です。

では、まずはあらすじです。

カルト映画「博士の異常な愛情」あらすじ

https://youtu.be/SyAtzNdveuU

冒頭にアメリカ空軍により、「映画はフィクションであり、現実には起こりえない」との解説があります。

アメリカのバープルソン空軍基地の司令官リッパー准将は精神に異常をきたし、指揮下のB-52戦略爆撃機34機にソ連への核攻撃(R作戦)を命令したまま基地に立てこもります。

イギリス空軍のマンドレイク大佐は巻き込まれ、将軍の閉じこもる執務室から出られなくなり、仕方なくリッパー将軍の話相手となる。

出撃した爆撃機にはそれぞれ第二次世界大戦で使用された全爆弾・砲弾の16倍の破壊力がある核兵器が搭載されていた。

バープルソン空軍基地の状況とB52出撃を知ったアメリカ政府首脳部(マフリー大統領、軍の高官、大統領科学顧問のストレンジラヴ博士)は、ペンタゴンの戦略会議室にソ連大使を呼び対策を協議する。

ソ連首相とのホットラインで、ソ連は攻撃を受けた場合、自動的に爆発して地球上の全生物を放射性降下物で絶滅させる”皆殺し爆弾”を実戦配備していることが判明する。

情報として公開しなければ威嚇の意味をなさない兵器をなぜ公開しなかったのかと迫るストレンジラヴ博士。ソ連大使は「近日公表する予定だった。首相は人を驚かすのが趣味だ」とうそぶく。協議が続いている間にも爆撃機は進撃を続ける。

爆撃機の一般通信回路は敵の謀略電波に邪魔されないようにCRM114とよばれる特殊暗号装置に接続、その装置は通信を全く受け付けないため爆撃機を引き返させることは不可能。例外として三文字の暗号を送信することによってこの装置を解除できるが、暗号はリッパー准将しか知らない。

アメリカ政府はリッパー准将から無線通信の暗号を聞き出すために、将軍の基地に近くの空挺部隊を動員するが、将軍が基地内のアメリカ兵に戦時体制の指令を出していたため、味方同士による戦闘が開始。

リッパー准将はマンドレイク大佐に、水道水にフッ素が混入しているのは共産主義の謀略だという陰謀論を延々と話すが、兵が准将の執務室に迫ってきたという情報を入手すると、大佐が日本人から受けた拷問話を聞き、耐えられそうもないと悟り、バスルームで自殺してしまう。

リッパー准将の話を分析したマンドレイク大佐によって爆撃機のCRM装置の暗号が解読される。大佐はコカコーラの自販機を撃ち抜かせて電話代を手に入れて大統領に暗号を通報。爆撃機は攻撃を中止して基地へ引き返しはじめる。しかし、コング少佐の機は対空ミサイルの爆発が原因でCRMの機密保持装置が作動し暗号装置が破壊、帰還命令を受信出来ない。その上、低空飛行により燃料を浪費してしまい、目標地点への攻撃ルートでは脱出する燃料がなく、ターゲットを最も近いソ連のミサイル基地への核攻撃に切り替える。

断線によって爆弾の投下口が開かない非常事態に、熱血漢のコング少佐は核爆弾にまたがりながら配線を再接続するが、故障が直るや否や爆弾は投下されてしまい、コング少佐はカウボーイよろしく爆弾にまたがったまま落ちてゆく。

”皆殺し爆弾”が起動し、人類を含む全生物が10ヶ月以内に絶滅することに一同が呆然とする中、選抜された頭脳明晰な男性と性的魅力のある女性を地下の坑道に避難させることで人類を存続させるべきだとストレンジラヴ博士は熱弁を振るう。そして、興奮のあまりドイツ時代に立ち返り「総統!私は歩けます!」と絶叫。

ラストはヴェラ・リンが歌う第二次世界大戦時代の流行歌「また会いましょう」(en)が流れる中、核爆発の映像が繰り返し流され、人類滅亡を暗示させるシーンで終わる…。

洋画「博士の異常な愛情」のどこがカルトなのか?

まずは正式タイトルです。

「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか?」です。

長いです。長すぎ。

これだけでもカルト。

日本映画にも「もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」とか比較的長いタイトルもありますが、こっちはカルト映画ではありません。

(もっと長いのもあるけど割愛)

原作はピーター・ジョージの「破滅への二時間」という小説でこちらはシリアス物。

キューブリックの発案で刺の効いたブラックコメディ洋画に方向転換しました。それから、

ピーター・セラーズはなんと、ストレンジラブ博士、ライオネル・マンドレイク大佐、マーキン・マフリー大統領の三役に挑戦しているということも理由。

それから、なんと言ってもクライマックス。

核爆弾に跨って投下なんて、もう笑うしかないでしょ。

「博士の異常な愛情」はカルト洋画認定です。

(なんの権限もないけど)

洋画「博士の異常な愛情」が稀有なカルト映画である理由

「博士の異常な愛情」ですが、エンディングが諸事情でカットされています。

本来のエンディングは作戦会議室での”最高指導者同士のパイ投げ”

だったそう。

(見たい!)

この作品をコメディ洋画のベストに挙げる映画評論家も多いです。

(事実、オスカーにもノミネートされています)

まあ、一番大きな理由は巨匠スタンリー・キューブリックが作ったブラック・ユーモア溢れる映画だってことです。

それがカルト映画の理由です。

(安易ですいません)

筆者は別の意味でも面白いカルト洋画だと思います。

考えてみてください。

当時、この洋画「博士の異常な愛情」を”有り得ない出来事”として、観客は面白、可笑しく見たでしょう。でも、昨今は、人間だけでなく、ペットの犬や猫でも必要以上にストレスを抱えた現代社会になってしまいました。

パイロットが飲酒後、コックピットに座ったり、フライト・アテンダントが飛行中にワインを召し上がる時代です。

あながち、こんなこと、絶対ないと言い切れなくなっていませんか?

予言のカルト映画だったりして。

ブラックな終わり方ですいません。

(ナイトメア・シンジ)

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