映画「まぼろしの市街戦」はフランス映画です。

母国フランスでは1966年12月21日に公開。

日本では翌1967年12月16日に公開されました。

上映時間は102分。

監督は映画「リオの男」、「おかしなおかしな大冒険」のフィリップ・ド・ブロカ。

主演は映画「フィクサー」でアカデミー主演男優賞にもノミネートされたアラン・ベイツ。

では、映画「まぼろしの市街戦」のあらすじです。

映画「まぼろしの市街戦」あらすじ

1918年10月。

第一次世界大戦末期、ドイツ軍は敗走の色を濃くしており、連合国軍の解放を待つ北フランスの小さな町が舞台。

イギリス軍の追撃を受けたドイツ軍は、撤退する際、村の何処かに大型の時限爆弾を仕掛けていったとの情報がイギリス軍にもたらされる。

爆弾の時限装置解除の為、フランス語が出来るというだけの理由で通信兵のプランピック二等兵がその命令を受けることに。

町に潜入したプランピックは、残留していたドイツ兵と鉢合わせし、運よく開いていた精神病院に逃げ込む。そこでは、老若男女の患者たちが、楽しそうにトランプ遊びをしていた。

町の人々は逃亡、取り残されたのは、患者とサーカス団の動物だけ。

名前を聞かれたプランピックは咄嗟に「ハートのキング」と答えた為、一躍、患者たちの王様に祭り上げられる。

患者達は静寂を取り戻した町中に繰り出し、司教になる者、軍人になる者、貴族になる者、美容師になる者、娼館のマダムになる者など、それぞれが思い思いの役に興じる。

お祭りのような、現実感の欠如した奇妙な生活にプランピックは次第に飲み込まれて、美少女少女コクリコを始めとする精神病院の“住民達”に親しみを覚え始める。

爆弾の設置場所も特定できず、焦燥感を募らせたプランピックは患者たちを救おうと、町の外へ連れ出そうとするが、患者達は「町の外には怖いものがたくさんあるから」と町の入り口で立ち往生してしまう。

プランピックは、諦めて患者達と町中へ戻る。

その夜、患者達はプランピックとコクリコの“結婚”を祝う。

花火を見上げながら、最期のひとときを楽しむプランピック。

その時、コクリコが町を見渡せる時計台の存在をプランピックに教える。

プランピックの第六感が時計台を差し示す。

プランピックの予想通り、時限爆弾の起爆装置は時計台の鐘に仕掛けられていた。

爆弾の仕掛けられた鐘を打とうとする機械仕掛けの騎士…。

プランピックは騎士の振る棒と鐘の間に入り込み、背中で爆発を防ぐ。

装置の解除に成功したプランピック。

患者たちは「ハートのキング」ことプランピックの勇敢さを褒め称える。

そのうちに、町に進軍してきたイギリス軍の偵察隊と、戻ってきたドイツ軍との間で白兵戦が行われ、一瞬で双方が全滅する。

その有様を教会の見晴らし台からそっと見物していた患者たちは、あまりのくだらなさに幻滅、病院に戻る。

プランピックもイギリスの進駐軍に合流し、次の任務に向かうことになる。

町を去ろうするプランピックを乗せたトラック。だが、次の瞬間、プランピックはトラックを降りる。

精神病院の前には、靴も軍服も脱ぎ捨て、素っ裸になったプランピックが立っていた。

プランピックは病院の門を叩く…。

洋画「まぼろしの市街戦」がカルト映画である証拠

https://youtu.be/spS4TClebpM

洋画「まぼろしの市街戦」は戦争を笑い飛ばすシュールなコメディ映画です。

1966年はアメリカでは「おしゃれ泥棒」や「ミクロの決死圏」イタリアでは「続・夕陽のガンマン」、フランスでは「男と女」などの映画が公開された年です。

世界景気がアメリカに引っ張られ、良くなろうかとしている年に、こんな変わった反戦コメディが作られたのです。

洋画「まぼろしの市街戦」は本国フランスではほとんど話題にならずに終わりました。しかし、洋画「まぼろしの市街戦」はその後、アメリカで公開され、5年という驚異のロングランヒットを続け、それが元で世界中のカルト映画ファンから愛されるようになったのです。

カルト映画「まぼろしの市街戦」

筆者も子供の頃、ドイツ軍とフランス軍が相討ちで、両者全滅のシーンを見てショックを受けました。

なんて愚かな行動なんだろう?

戦争はチキンレースだ。

どちらかが降りなければ、終わるまで続くんだ。

争わない、楽しく生きる精神病患者こそが賢者に見えたそんな瞬間でした。

洋画「まぼろしの市街戦」は子供時代に見て、面白い映画とは思わなかったのですが、そのシーンだけははっきり覚えています。

カルト映画とは知らなかった)

ところで、洋画「まぼろしの市街戦」には、もうひとつのエンディングが存在するそうです。

”裸のプランピック二等兵が鳥かごだけを持って精神病院の門の前に立ったところで終わる”

まさにカルトな終わりですね。

(ナイトメア・シンジ)

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