今日、ご紹介するのは、先が読めない映画として話題になった洋画「アイデンティティー」(IDENTITY)です。
ミステリー映画「アイデンティティー」は2003年のアメリカ映画。
映画「アイデンティティー」は
”ワンロケーション・ミステリーのおすすめ映画!”です。
(ワンロケーション・ミステリとは、”限られた空間で展開する謎解きや犯人探し”を意味します)
映画「アイデンティティー」の日本公開は10月25日。
上映時間は90分。
監督はジェームズ・マンゴールド。
ジェームズ・マンゴールドは1963年12月16日、ニューヨーク州ニューヨーク市生まれ。
1995年に『君に逢いたくて』で映画監督デビュー。
1999年映画「17歳のカルテ」でアンジェリーナ・ジョリーを世界に押し出した監督です。
(映画「17歳のカルテ」は青春映画の佳作。アンジェリーナ・ジョリーの演技がとにかく素晴らしい。主演・制作総指揮はウィノナ・ライダー)
2001年にはロマンテック・コメディ映画「ニューヨークの恋人」で再び注目され、
2005年にはリース・ウィザースプーンにアカデミー主演女優賞をもたらす映画「ウォーク・ザライン/君に続く道」を監督。
2010年トム・クルーズとキャメロン・ディアスの共演が話題になった映画「ナイト&デイ」や2013年公開の映画「ウルヴァリン: SAMURAI」など着実にキャリアを積み重ねている監督。
(2017年映画「ウルヴァリン: SAMURAI」の続編「LOGAN/ローガン」は前作を見ていない人にもおすすめヒーローアクション。”ヒーローが未来永劫でないことを教えてくれる”佳作です。筆者は「17歳のカルテ」とともにジェームズ・マンゴールド作品の中では高く評価しています)
主な出演者もご紹介しておきます。
女優の運転手エド役にジョン・キューザック。
(学校カーストの頂点にいる女の子に恋する普通の高校生を演じた1989年の切ない青春映画「セイ・エニシング」が懐かしい)
囚人を護送中の警官ロード役にレイ・リオッタ。
(2001年映画「ハンニバル」で自分の脳みそを食べる司法省役人役が頭にこびりついて離れない)
モーテルの主人ラリーにジョン・ホークス。
(やっぱり、ジェニファー・ローレンスがボコボコにされる2011年の彼女の出世作「ウィンターズ・ボーン」の不気味なティアドロップ役でしょ)
女優カロラインにレベッカ・デモーネイ。
(1995年の制作総指揮も兼ねたアントニオ・バンデラスとの共演スリラー映画「ストレンジャー」かな)
新婚夫婦の妻ジニーにクレア・デュヴァル。
(映画「17歳のカルテ」にも出てます)
では、先が読めない映画「アイデンティティー」のあらすじを途中までご紹介します。
(今回はネタバレなし)
先が読めない映画「アイデンティティー」あらすじ
先が読めない映画「アイデンティティー」あらすじ
精神科ドクター、マリックは、診察時に録音した患者のテープを聴く。
「君は誰かね。君の名は?」
「好きに呼べばいい」
「君はなぜここに来たんだ?」
「俺の頭痛を治してもらうためだ。アスピリンは役に立たない」「お母さんの話をしてくれ」「おれの母親か? 売春婦だった」
「アパートの住人6人を,98年5月10日に殺したのは君か?」
「俺の誕生日だ」
患者は連続殺人犯。責任能力があると判断され、死刑が確定している。
外は記録的な雨が降り続いている。
モーテルの管理人ラリーのところに、怪我人が運びこまれる。
被害者の名はアリス。
運んできたのは夫のジョージ。
息子のティミーも一緒だ。
彼女をはねたのはエド。かつての人気女優、カロラインの運転手。
モーテルの電話は不通。
エドは病院を目指して車を走らせる。途中、車が故障した娼婦パリスに助けを求められる。彼女が言うには洪水でどこへも行けないと言う。
しばらく走ると、道は冠水しており、行き止まり。
引き返そうとしたとき、新婚夫婦ルーとジニーの車がやって来た。4人はそろってモーテルへと向かった…。
真夜中に鳴り響くベル。
判事は不機嫌そうに、電話をとる。それは、彼にとって意外な知らせだった。
死刑判決を下した事件の再審理が、これから始まるというのだ。
明日、死刑が執行されることになっている囚人は、現在移送中。
弁護側が同席を要求しているらしい。
再審理のきっかけとなったのは、囚人が書いた日記。
この日記は、意図的に隠蔽されていたと弁護側は主張している。
その内容とは一体どんなものなのか?
弁護側には、彼の死刑を中止させるだけの勝算があるのか?
モーテルの最後の客はロード。
囚人を移送中の刑事だ。
慌しく写真を片付け出すルー。
大金を隠すパリス。
そして、ロードのスーツの下のシャツには赤黒いシミが…。
怪しげな動きがある中、洗濯機の中から女優カロラインの頭部が発見された。しかし、これは、始まりに過ぎなかった。ルーと囚人は何者かに殺され、ジョージは事故で死亡。エドがはねたアリスも息を引き取った。死体の傍らには必ずモーテルのカギが、10、9、8…、と死の順番をカウントダウンするかのように置かれていた。この異常事態から逃げるジミーとティミー。しかし、車へと駆け寄った瞬間、爆発し、炎上する。消火後、そこに2人の死体はなかった。それだけではない。いつのまにかすべての死体が消えていた。
残されたのは、エド、パリス、ロード、ラリーの4人。
犯人は生存者の中にいるのか?
(以上のあらすじは映画「アイデンティティー」パンフレットの中から抜粋)
映画「アイデンティティー」はどうしておすすめサスペンスなのか?
豪雨の中、行き場のない10人がモーテルに偶然集う。
降り続く雨の中、薄暗いモーテルで、また一人、また一人と命を奪われていく…。
どうして、なぜ?
脚本を読んだジョン・キューザックも”展開が読めなかった”という映画「アイデンティティー」。
先が読めない驚愕のラストは、必ずや見る人を沈黙させます。
(ひっくり返る人もいるかも)
閉ざされた空間での物語なのに90分飽きさせない演出と脚本はお見事。
それもそのはず、脚本家のマイケル・クーニーは劇作家としても活躍。
(ワン・ロケーションはお手の物)
美術監督のマーク・フリードパークはモーテルとその周辺の大きなセットが組み立て、40日間雨を降らせ続けたそう。
「アイデンティティー」の画面から滲み出る独特の雰囲気はそのなせる業だろう。
タイトル「アイデンティティー」の意味も最後にわかるはず。
先が読めない映画「アイデンティティー」
是非、御覧あれ。
”今宵も悪夢は世界のどこかで誰かが見る”
(ナイトメア・シンジ)
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